銀行、医薬品、鉄鋼、海運などの銘柄が多くランクイン

銀行セクターからは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が1位、みずほフィナンシャルグループ(8411)が10位、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が12位にランクインしました。銀行セクターの株価は内外の長期金利と連動性が高いため、今後しばらくの間は金融政策の動向が注目されるでしょう。野村金融チームでは、2024年初以降、金融市場で3月または4月日銀会合でのマイナス金利解除への思惑が高まりやすいと予想しています。マイナス金利の解除後は、毎回の決算発表で利上げ効果による増収が確認できるかという点などが注目されるでしょう。

医薬品セクターからは、アステラス製薬(4503)が4位、武田薬品工業(4502)が5位にランクインしました。医薬品セクターでは、2024年に医療・介護・福祉の同時報酬改定と第8次医療計画の開始が予定されています。働き方改革の医師への適用に伴い、医療リソースの最適配分がこれまで以上に重要になると見ています。

鉄鋼セクターからは、高炉大手の日本製鉄(5401)が6位、神戸製鋼所(5406)が9位にランクインしました。野村證券では、2024年の高炉業界について、中国企業の供給過剰によって海外の鋼材スプレッド(鋼材と原料の価格差)が悪化したとしても、利益率を保つ力があると評価しています。その要因として、国内の高炉生産能力を削減し、価格交渉力を取り戻している点や、ハイエンド製品の販売を増やしながら汎用製品の販売を抑制している点などが挙げられます。

海運セクターからは、商船三井(9104)が15位、川崎汽船(9107)が16位にランクインしました。現在、日系海運3社の利益の大部分は自動車船事業によるものです。そのため、2024年の海運セクターでは、日系海運3社の自動車船事業の業績がコロナ前を上回る水準を維持できることが注目されるとみます。ただし、2024年には中国系船社を中心に自動車船の竣工が増加する予定です。同事業の利益に対するリスクもある程度考慮する必要があります。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

(注1)画像はイメージ。
(注2)各種データは2023年12月29日時点。
(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成

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