
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
11日の米国株式市場で主要3指数は小幅に下落しました。5月消費者物価指数(CPI)が前月比+0.1%と、市場予想を下回ったことが好感される場面もありましたが、S&P500が過去最高値圏で推移するなど、高値警戒感が強まっていたことから、上げ一巡後は上値の重い展開となりました。債券市場では、米5月CPIの結果を受けてインフレ警戒感が薄れた結果、米10年債利回りが低下しました。また、日米金利差の縮小を背景に、為替市場では円買い・ドル売りが優勢となりました。
相場の注目点
4月初めに発生した世界的な株安以降、日本株の堅調地合いが続いています。世界中を覆った過度な悲観の後退が最大の理由とみられますが、グローバルで進む“ドル離れ”により、海外からの投資資金が東京市場へ流入していることも株価を支える要因となっている可能性があります。日本取引所グループのデータによると、海外投資家は5月26~30日の週まで9週連続で日本株を買い越しました(現物株、東証・名証の合計)。本日公表予定の最新データでも、海外投資家の日本株買いが継続していたか否かが注目されます。海外投資家は現物株市場において、最も売買シェアの高い投資主体です。ドル離れに伴う海外投資家の日本株選好が継続すれば、先行きも日本株が底堅く推移する展開が期待できると考えています。
本日のイベント
日本では東京市場寄付き前に4-6月期法人企業景気予測調査、取引時間中に5月東京都心オフィスビル空室率が発表されます。一方、米国では5月生産者物価指数が発表されます。また企業面では、ソフトウェアメーカー大手のアドビが2025年3-5月期決算を発表します。
(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)


(注)データは日本時間2025年6月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。