米国では、景気回復が続く中、雇用回復の伸びが市場予想を下回り、インフレ加速も一時的との見方が優勢で、FRB(米連邦準備理事会)によるテーパリング(資産買い入れの減額)の後ずれ期待が相場を下支えしています。

 15日(火)~16日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。引き続き、インフレに対する見方とテーパリングに関する示唆が注目されます。経済指標は、15日(火)に6月NY連銀製造業景気指数、5月小売売上高、5月鉱工業生産が発表されます。また、16日(水)に5月住宅着工・建設許可件数、17日(木)に6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表されます。半導体などの供給制約が生産に与える影響には留意が必要ですが、高水準の貯蓄、経済活動の再開に伴って小売売上高は堅調な推移が見込まれます。

 日本では、16日(水)の4月機械受注統計、17日(木)~18日(金)の日銀金融政策決定会合が注目されます。3度目の緊急事態宣言を受けて4月の機械受注は減速する可能性があります。他方、日銀の金融政策については、現状維持を見込む向きが優勢です。

 中国では、16日(水)に5月小売売上高、5月鉱工業生産、1-5月固定資産投資、1-5月不動産投資が発表されます。堅調な輸出が生産の伸びを支え、個人消費は緩やかな持ち直しが期待されます。インフレ抑制が大きな課題であるトルコでは、金融政策の独立性に対する懸念が通貨安の主因となっているため、17日(木)の金融政策会合が注目されます。

(坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2021年6月11日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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