日本株の勢いがとどまるところを知りません。日経平均株価は今年2月22日に、1989年12月に付けた史上最高値(38,915円)を34年ぶりに更新し、さらに上昇して3月4日には4万円の大台を突破しました。年初からの上昇幅はわずか2ヶ月ちょっとで実に6,600円超に達しました(3月4日時点)。まさに「昇竜」の如くです。下段のチャートを見るまでもなく、2011年以降に経験した①~③に匹敵するような中長期的な上昇局面に移行しているとの見方に疑いはないでしょう。

日経平均株価はこの先どこまで上昇していくのでしょうか?市場では、日経平均株価が史上最高値を更新した際にも、今回4万円の大台に乗せた時にも、さほど達成感が広がることはありませんでした。その後押しをいれていますが、「4万円」は単なる通過点と考える市場参加者が多数派になりつつあることが窺えます。

注目されるのは、チャート分析の世界で言うところの「トレンドの加速」が発生していることです。今回の大幅上昇によって、日経平均株価は2012年以降の中長期の上昇トレンドの上限ライン(下図赤点線)を突破し、コロナショック直後の2020年3月安値を起点とした、より上昇角度が急な新たな上昇トレンドに移行した可能性が高まったと捉えられます。同様の現象は、最近では2017年前半のナスダック総合指数でも確認できます。当時のナスダックは5,000ポイント台でしたが、その後7年かけて約3倍になっています。

さて、日経平均株価のチャート分析に話を戻しましょう。今回ご紹介するのは「新値累積数値」です。新値累積数値とは上昇時(下降時)の新高値(新安値)累積値が、一つの起点から継続して何回生じているかをカウントした数値で、通常の値幅や日柄の分析とは異なる切り口の分析手法です。2022年3月安値を起点とした日経平均株価の新値累積数値(月足ベース)は、今年3月で月+8となります(下図)。2011年以降に経験した主な上昇局面が、最終的にそれぞれ①月+21(月+12を2回)、②月+14、③月+11まで伸びていますので、今回の日経平均の上値追い余地はまだありそうです。

相場は山あり谷あり、谷深ければ山高し。20年越しの大底形成を経て最高値を更新した日経平均株価が登り始めた次の山の高さは、多くの人が考えるよりも高いものになっても不思議ではないでしょう。

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※テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

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