「逆張り」的な銘柄選択が行われた可能性

2024年2月の日本株市場では、TOPIX(東証株価指数)と日経平均株価がともに大きく上昇し、日経平均株価は約34年ぶりに1989年12月の最高値を更新しました。一方で、ランキング内には株価が大きく上昇しなかった銘柄や逆に下落した銘柄が多く見受けられました。相場の流れに逆らう「逆張り」的な銘柄選択が行われた可能性があります。

月間で3%以上下落した銘柄からは、アステラス製薬(4503)、住友化学(4005)、KDDI(9433)、あおぞら銀行(8304)、東レ(3402)、三菱ケミカルグループ(4188)がランクインしました。以下、各銘柄の近況を紹介します。

4位のアステラス製薬は、決算発表で更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント(米国製品名:ベオーザ)」の販売が難航していることが明らかになりました。5位の住友化学は、決算発表で2024.3期の業績見通しを下方修正し、同時に年間配当金予想も引き下げました。9位のKDDIは、ローソン(2651)への公開買付けの実施を発表し、注目を集めました。

13位のあおぞら銀行は、決算発表で2024.3期の業績見通しを下方修正し、同時に年間配当金予想も引き下げました。17位の東レは、決算発表で2024.3期の業績見通しを下方修正しました。同社の主力である炭素繊維では、中国企業との競争が激化しています。19位の三菱ケミカルグループは、2023年10-12月期(3Q)決算がほぼ野村予想線で着地しました。高機能材料を手掛ける「スペシャリティマテリアルズ」の不調を産業ガスやヘルスケア事業が補った形になりました。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

(注1)画像はイメージ。
(注2)各種データは2024年3月8日時点。
(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成

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