海外市場の振り返り

8日の米国株式市場で、主要3指数は下落しました。寄り前に発表された2月の非農業部門雇用者数は前月比+27.5万人と、市場予想の同+20.0万人を上回った一方、失業率は3.9%と市場予想の3.7%を上回り、平均時給は前年同月比+4.3%と、市場予想の同+4.4%を僅かに下回りました。堅調な雇用の伸びは、米国経済のソフトランディングへの期待を高めると共に、平均時給の伸び鈍化はFRBによる利下げ開始を妨げないとの見方から、寄り付き後、主要3指数とも上昇して始まりました。しかしその後は、半導体関連銘柄に利益確定とみられる動きが出て、3指数とも前日比下落に転じました。

相場の注目点

10日から、米国は夏時間に移行しました。米国株式市場の取引終了時刻である米国時間午後4:00は、日本時間の朝6:00から5:00に繰り上がります。

今週、米国では12日に2月CPI(消費者物価指数)、14日に2月PPI(生産者物価指数)が発表されます。引き続きインフレが鎮静化しているか、が注目されます。また、14日の2月小売売上高では、足元の個人消費動向が注目されます。1月小売売上高は、前月比は市場予想を下回り、前年同月比は12月よりも伸び率が減速していました。米国の個人消費は、インフレ鎮静化やガソリン価格低下などを追い風に、2023年末にかけて堅調に推移してきましたが、1月は好調な年末商戦への反動がでていた可能性があります。これらを含め、今週は重要な経済指標が複数発表されますが、FOMC前のブラックアウト期間に入っており、これら指標に対するFRB高官からの反応はなさそうです。経済指標の内容次第では、金融政策への思惑から、株式市場が大きく反応することも考えられます。

(投資情報部 寺田 絢子)

(注)データは日本時間2024年3月11日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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