海外市場の振り返り

13日の米国市場では、利回り曲線全域にわたって国債利回りが上昇、これを嫌気してハイテク関連株中心に下落し、S&P500は最高値から反落しました。ナスダック総合(前日比-0.5%)、フィラデルフィア半導体指数(同-2.5%)が下落した一方で、NYダウは小幅高で引けたうえ、恐怖指数と言われるVIX指数も前日から小幅低下し、13.75と穏当な水準で引けていることから、米国株式市場のセンチメントが悪化している訳ではなさそうです。

相場の注目点

来週は日本銀行の金融政策決定会合(18~19日)に続き、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会:19~20日)が開催されます。日銀の金融政策に関しては連日、各種メディアが日銀内で3月会合での政策修正議論が高まっていると報じており、エコノミストに対するブルームバーグの最新調査でも、3月会合での政策修正見通しが4月会合での修正見通しに拮抗し始めたことが示されました。明日(15日)は連合から春闘の第一回集計が発表されますが、昨年の3.8%を上回ることがほぼ確実視されるなど、3月会合に向けた政策修正期待が一段と高まることが予想されます。換言すれば日銀の政策修正は相当程度織り込まれたと見られることから、追加利上げやETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)の買い入れ継続の有無に加え、準備預金の3層構造の見直しと言った政策の枠組変更が注目されます。

一方、FOMCに関しては、金融政策は据え置きが予想されることから、注目点は政策金利見通し(ドットチャート)です。現在は24年中に0.75%ポイントの利下げ見通し(中央値)が示されていますが、2月以降、米国景気の堅調推移とインフレの粘着性を示す指標が相次いでいることから、24年中の利下げ幅見通しが縮小される可能性があります。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年3月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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