海外市場の振り返り

3月29日は、聖金曜日で米国の株式市場は休場でした。経済統計では、米国の2月PCE(個人消費支出)デフレータ―が発表されました。物価指標となるコア(食料とエネルギーを除く)PCEデフレータ―は、前月比+0.3%と市場予想に一致しました。パウエルFRB議長は、サンフランシスコ連銀主催のイベントに登壇し、2月のPCEデフレータ―について、ほぼ予想通りであったと述べた上で、インフレ率が目標の2%に向けて順調に低下していると確信できるまで利下げは適切ではない、との見方を改めて示しました。足元のドル円相場は、1米ドル=151円20銭台と前週末(3月29日)の15:00時点とほぼ同水準で推移しています。神田財務官は、3月29日のブルームバーグとのインタビューにおいて、日銀のマイナス金利解除を含む大規模緩和の修正を決定した後の円安の動きは反対方向という意味で違和感を持っていると発言しており、円安に対する警戒感を強めています。「行き過ぎた行動に対してあらゆる手段を排除せず適切な措置を取る」との発言も、状況によって介入を示唆する圧力となっています。

相場の注目点

日本では、本日(4/1)寄り前に、3月の調査・日銀短観が公表されます。同統計は、調査対象、調査内容ともに広範囲に及びます。業況判断DIや設備投資計画に加え、企業の物価見通しや自社の販売価格見通しなどは、日銀による追加利上げのタイミングを探る上で注目されます。その他、米国では3月ISM製造業景況指数(1日)や、同サービス業景気指数(3日)、3月雇用統計(5日)など、重要指標の発表が相次ぎます。これらの結果を通じて、米国株高が継続するかどうかは、日本株式市場にとっても重要です。

(投資情報部 澤田 麻希)

(注)データは日本時間2024年4月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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