(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

9日の米国株式市場では、NYダウが小幅安となった一方、ナスダック総合とS&P500は上昇しました。セントルイス連銀前総裁のブラード氏が「年内3回の利下げが基本シナリオ」と述べたことなどを受けて、朝方から米10年債利回りが低下し、S&P500は小幅高で寄り付きました。寄り付き後は、明朝に3月消費者物価指数(CPI)、12日から本格的に始まる米主要企業の2024年1-3月期決算発表を控えて様子見姿勢の展開となりました。S&P500は一時軟調に推移しましたが、米10年債利回りの低下が続く中で、一部テクノロジー株や、不動産、生活必需品、公益などのセクターが上昇し、引け直前にS&P500は前日比プラス圏へと値を戻して終了しました。

相場の注目点

10日朝の外国為替市場で円相場は151円70銭台と、前日比で小幅に円高ドル安水準となっています。仮に米3月CPIが市場予想(前月比+0.3%)に対して上振れた場合は、円安ドル高、米国株安を促すと見られます。円安による業績改善期待は日本株の支援材料となりますが、急速な円安ドル高の進行は為替介入への警戒感を強める可能性があります。加えて、3月FOMC議事録の発表も予定されています。CPIが上振れ、FOMC議事録でFRB高官のタカ派シフトが意識されれば、為替市場では1ドル=152円突破が試され、為替介入を巡る動向が活発化しそうです。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年4月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点