(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

11日の米国株式市場では、ナスダック総合が大幅高となった一方、NYダウは概ね横這いとなりました。3月米生産者物価指数(PPI)の前月比の伸びが鈍化したことを受けて過度なインフレへの警戒が緩和し、朝方は買いが先行しましたが、前日発表の米消費者物価指数(CPI)が上振れたことによるインフレ懸念を払しょくするまでには至らず、NYダウは次第に上値が重くなりました。それでも、テクノロジー株などに買戻しが入り、ナスダック総合は大幅に上昇しました。米国債券市場では、3月PPIの結果を受けて一時債券利回りは低下しましたが、朝方発表された週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の堅調さが示されたことや、前日発表の米CPIの上振れがより強く意識され、債券利回りは上昇に転じました。米10年国債利回りは前日比+0.05%ポイントの4.59%に上昇し、2023年11月以来の高水準となりました。

相場の注目点

外国為替市場で円相場は一時、1ドル=153円30銭台となり、およそ34年ぶりの円安ドル高水準となりました。11日には当局による口先介入が行われましたが、市場で実際に円買い介入が実施されなければ円安ドル高傾向が続く公算が高いとみられます。本日も政府・日銀の発言が注目されますが、155円前後まで介入を控える可能性も否定できません。また、米金利の上昇を受けて、日本でも10年国債利回りが0.8%台後半と23年11月中旬以来の水準に上昇しています。金利上昇に対する日銀の対応にも注目です。その他には、本日、米国では4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)が発表されます。また、日本時間の引け後には中国では3月貿易統計が発表されます。中国では24年1-2月の輸出の持ち直しが景気回復期待につながっており、足元の製造業の実態と中国景気の回復力を把握する上で注目です。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年4月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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