来週の注目点:日米の金融政策決定会合

今週は日米で金融政策決定会合が開催されます。6月11日(火)~12日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利は据え置きが市場コンセンサスです。インフレ鈍化の傾向が確認される中でも、多くのFRB(米連邦準備理事会)高官は利下げに慎重な姿勢を維持しており、市場の関心は政策金利見通しに集まっています。

日本では13日(木)~14日(金)に日銀金融政策決定会合が開催されます。今会合では、政策金利を据え置き、国債買い入れ減額のアナウンスを行うと野村證券では予想します。2%近辺でインフレが安定的に推移する可能性が高く、景気の回復を確認しながら、2024年10月に追加利上げを決定すると予想します。

ユーロ圏では、ラガルドECB総裁による講演が14日(金)に行われます。ECB(欧州中央銀行)は7月以降の追加利下げを急がないと見られていますが、今後の金融政策について何らかの示唆が与えられるか注目です。

経済指標では、米国で12日(水)に5月消費者物価指数(CPI)、13日(木)に5月生産者物価指数、14日(金)に6月ミシガン大学消費者マインド(速報値)が発表されます。最大の注目点は消費者物価指数です。6月FOMCにおける決定そのものに与える影響は限定的ですが、コアCPIが鈍化すれば、年内の利下げ開始に向けた後押し材料になると見られます。

日本では10日(月)に2024年1-3月期実質GDP(2次速報値)、5月景気ウォッチャー調査が発表されます。野村證券では、設備投資や公共投資が上方修正されることで同実質GDP成長率は前期比年率-1.8%(市場予想は同-2.0%)と、1次速報値から上方修正されると予想します。

その他には、13日(木)にイタリアでG7首脳会議が開催されます。報道によれば、ウクライナに対する支援に向けて対ロシア経済制裁で凍結したロシアの資産の取り扱いなどが話し合われる模様です。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年6月7日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
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(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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