(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
13日の米国株式市場は、まちまちな展開でした。NYダウが3日続落した一方で、ナスダック総合とS&P500は4日続伸し史上最高値を更新しました。前日引け後にAI需要を背景に好決算を発表した半導体設計・ソフトウエアを手掛けるブロードコムの株価が上昇したことなどを受け情報技術指数が堅調だった一方、コミュニケーション・サービスやエネルギーなどの指数は下落しました。13日引け後に決算を発表した画像ソフトウエア大手のアドビはAI製品への需要を背景に好決算を発表し、AIの業績への貢献が半導体からソフトウエアへ広がっていることを示唆しました。経済指標では、5月米PPI(生産者物価指数)が前月比-0.2%と市場予想の同+0.1%に反しマイナスとなり、食品とエネルギーを除くコアPPIも前月比変わらずと市場予想の同+0.3%を下回りました。また、週間新規失業保険申請件数は24.2万件と市場予想の22.5万件を上回り、労働市場のひっ迫による賃金インフレに対する懸念が和らぎました。インフレの低下が意識され、米10年国債利回りは低下しました。
相場の注目点
日本では本日、日銀の金融政策決定会合(6月13・14日開催)の結果が発表されます。注目点は、①国債買い入れの減額や、②植田総裁の会見です。国債買い入れ減額については、新聞の観測記事などにより減額の方向性自体は市場はある程度織り込んだと考えられる一方、声明文で具体的な金額や開始時期が示されるかが注目されます。植田総裁の会見では、市場の利上げ期待を維持するようなコミュニケーションが見られるか、また、為替に関する質疑応答が注目されます。
米国では14日に、6月ミシガン大学消費者調査速報値が発表されます。総合指数は5月の69.1から72.1へ上昇すると予想されています。また、1年、5年先のインフレ見通しが今後の物価や個人消費の観点から注目されます。
(投資情報部 竹綱 宏行)
(注)データは日本時間2024年6月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。