(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
18日の米国株式市場では主要3指数が揃って小幅に上昇し、ナスダックとS&P500は史上最高値を更新しました。フランスの下院選挙の選挙運動が17日に正式に開始され、優勢が伝わる極右政党・国民連合のバルデラ党首が、フランス国債価格と財政に配慮するとコメントしたことで懸念が後退し、欧州株が上昇しました。一方で、米国では5月小売売上高が市場予想を下回ったことなどを受け、消費鈍化懸念から米10年国債利回りは低下したものの、米国株は上値の重い展開でした。個別株では、AI用半導体大手のエヌビディアが上昇し、時価総額がマイクロソフトやアップルを抜き世界一位となりました。
6月19日は米国市場はジューンティーンス(奴隷制の廃止を祝う祝日)で休場です。
相場の注目点
7月1~3日のシントラ会議が注目されます。シントラ会議は、ECB(欧州中央銀行)主催の中央銀行フォーラムのことで、欧州ソブリン危機を受け、2014年から毎年5~7月にポルトガルのシントラで開催されています。欧州では、フランス下院選挙への不確実性からフランス国債とドイツ国債との利回りスプレッドが拡大したことが金融市場で懸念されています。また、ECBが6月会合で利下げを実施した一方、米FRB(米連邦準備理事会)は政策金利を高水準で維持し、日銀は利上げを検討するなど、各国の状況の違いから金融政策の方向性に違いがある状況です。
株式市場には、「セルインメイ(5月に株を売り9月に買いなおせ)」、「夏枯れ(夏は株価変動が小さく取引量が減る)」といった夏季の格言があります。一方で、S&P500の7月の騰落率は2015年から2023年まで9年連続でプラスです。7月の上昇が、新しいアノマリー(市場の経験則)なのか、シントラ会議のおかげなのかはわかりませんが、今年も注目されます。
(投資情報部 竹綱 宏行)
(注)データは日本時間2024年6月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。