※画像はイメージです。
※2024年7月4日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
本格的な上昇トレンドの形成となるか注目
今週の日経平均株価は、米株高や円安進行を好感し、大幅上昇となり、7月4日には終値で40,913円まで上伸しました。また、TOPIXが約34年半ぶりに史上最高値を更新しました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、6月25日に75日移動平均線(7月4日:39,005円)を上抜けし、26日には5月20日高値(39,437円)を超えて、チャートの好転が鮮明となりました。その後、7月4日に終値ベースでみた史上最高値(3月22日:40,888円)を上回っており、上昇に弾みがついています。
25日移動平均線が75日線を下から上に上抜けるゴールデン・クロスもみられており、この先、取引時間中の史上最高値(3月22日:41,087円)を超え、本格的な上昇トレンド形成となるか注目されます。
一方で、目先の上値が重く再度押しを入れる場合、25日移動平均線(7月4日:39,074円)や75日線(同:39,005円)が下支えとなることが期待されます。
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(注1)直近値は2024年7月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
次に中長期的な動きを確認してみましょう。今年3月高値形成後の調整を振り返ると、4月安値にかけての下落によって値幅調整が概ね十分となり、その後の保ち合いを経て日柄調整も進展していました。
今回の大幅上昇は、値幅や日柄面の調整をこなした後の動きであり、本格的な上昇トレンドに回帰してきた可能性が高いと考えられます(図2)。
(注1)直近値は2024年7月4日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
TOPIX 34年半ぶり史上最高値更新、新たなステージへ
TOPIXは、今年7月4日に1989年12月につけた平成バブル時の高値を上抜けし、34年半ぶりに史上最高値を更新しました。今年に入り史上最高値を更新した日経平均株価に続き、TOPIXも高値を更新したことで、日本株は名実ともに新たなステージに入ったと言えます。
TOPIXの長期月足チャート(図3)をみると、昨年以降の大幅上昇によって、1990年代から約30年続いた長期上値抵抗線を明確に上放れしていることが見て取れます。上放れしたことで、10年を超える超長期トレンドが上向きとなったと捉えられます。
(注1)直近値は2024年7月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)東京証券取引所データより野村證券投資情報部作成
次に週足チャート(図4)で、2~3年の中長期的なトレンドについてみてみましょう。TOPIXは足元で昨年1月安値(1868.15pt)を起点とする、中長期上昇相場を形成中です。昨年1月安値からの上昇率は、55.2%(7月4日時点)となっていますが、前回の中長期上昇局面(20年3月~21年9月)の上昇率(71.4%)に達しておらず、今後も上昇余地があると考えられます。
この先、まずは、心理的フシの3,000ptを目指す動きとなることが期待されます。尚、前回の中長期上昇局面の上昇率(71.4%)を、今回に当てはめて試算すると、3,202ptと試算されます。
(注1)直近値は2024年7月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成
このように超長期トレンドが上向きと考えられる中、前回の中長期上昇局面と比較して上昇余地があるとみられ、今回の史上最高値更新は通過点となる可能性が高いと考えられます。
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)