来週の注目点:パウエルFRB議長の議会証言、米CPI、東京都知事選

日米の金融政策に引き続き注目が集まる中、米国では9日(火)及び10日(水)にパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長による半期に一度の議会証言が行われます。今後の金融政策や銀行の資本規制などが議題に上がると見られます。 

米国の経済指標では、11日(木)に6月消費者物価指数(CPI)、12日(金)に6月生産者物価指数、7月ミシガン大学消費者マインド速報値が発表されます。コア(食品・エネルギーを除く)CPIが鈍化すれば、年内の利下げ開始に向けた後押し材料になると見られます。

日本では、7日(日)に東京都知事選挙の投票日を迎えます。今後の都政のみならず、その後の自民党総裁選、衆議院選挙などにも影響を与えると見られるだけに、注目が集まります。

日本の経済指標では、8日(月)に5月毎月勤労統計が発表されます。24年春闘の反映が進むことで、24年5月の現金給与総額(1人当たり賃金)は、前年同月比+3.2%(市場予想は同+2.1%)と、4月(同+1.6%)から大幅に加速したと野村證券では予想します。他方、8日(月)発表の6月景気ウォッチャー調査では、街角景況感(景気の現状判断DI)は、前月から悪化したと予想します(市場予想は小幅改善)。6月の円安の進行が景況感を悪化させた可能性があります。

中国では、12日(金)に6月貿易統計が発表されます。中国元安の進行に伴う価格競争力の向上や、世界的なテクノロジーセクターの持ち直しなどを受けて、中国の輸出は堅調に推移すると予想します。

欧州では、7日(日)にフランス下院議会選挙の決選投票を迎えます。極右政党の国民連合(RN)が躍進した場合には、財政悪化やフランス国債の格下げ懸念などが高まり、ドイツ国債とフランス国債の金利差の拡大や欧州株安、ユーロ安につながる可能性があります。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

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