(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
11日の米国市場は、米6月CPI(消費者物価指数)の発表をきっかけにリバーサル的な動きとなりました。ドル円は年初の1ドル=141円台の水準から円安基調が継続しましたが、CPI発表直後に161円台半ばから、一時157円台後半まで急速に円高が進みました(執筆時点では158円台後半)。為替介入について神田財務官は、慣例通りコメントしない、と述べました。
米6月CPIは、前月比-0.1%と、市場予想(同+0.1%)や5月実績(前月比横ばい)を下回りました。ガソリン価格が同3.8%下落したほか、航空運賃や中古車価格も下落しました。CPIを受け米10年国債利回りは4.30%から一時4.18%程度まで低下しました。米国株式市場では、年初来で大型株に対して出遅れていた中小型株指数のラッセル2000が3.57%高、ダウが小幅続伸した一方で、大型テクノロジー株の反落などによりS&P500とナスダック総合は反落しました。
相場の注目点
12日のJPモルガン・チェースを皮切りに、2024年4-6月期の米国企業決算発表が本格化します。米大手銀行については、2024年1-3月期の決算は、純金利収益がやや市場予想を下回り、より変動の大きい投資銀行部門の手数料や市場部門の収益が市場予想をやや上回るケースがみられ、今回もそれらの状況が注目されます。また、経済がコロナ禍から正常化する過程で上昇してきた、クレジットカードなどの消費者ローンの貸倒率の水準についても景気循環の点から注目されます。
23日のビザの決算からはEコマースや旅行消費の状況が、また、7月後半以降のマイクロソフトやアルファベット、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズ、アップルなどのテクノロジー企業の決算ではAI関連事業の収益化の進捗が注目されます。
(投資情報部 竹綱 宏行)
(注)データは日本時間2024年7月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。