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増益率拡大傾向に変わりはないかに注目
4-6月期は前年同期比+8.8%予想
7月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年4-6月期の決算発表が本格化します。2024年7月5日時点の調査会社LSEG集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+8.8%と予想されています。2024年1-3月期の同+6.6%と比べ、増益率が拡大する見込みとなっています。
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2024年1-3月期は、同期の決算発表が本格化する直前の2024年4月5日時点の集計では同+3.5%と予想されていました。しかし、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が高かったことで、実際には前述の通り同+6.6%まで拡大しました。同様の傾向が続けば、2024年4-6月期も、現時点での予想よりは高い増益率となる可能性が考えられます。
アナリスト達は慎重に見直している模様
リビジョンインデックスの動向をみると、2024年7月3日時点では、FY1(予想1期目)は0.98、FY2は0.88となっています。
2024年4-6月期の決算発表を前に、アナリスト達は業績予想を慎重に見直しているとみられます。
決算発表時の注目点
年度ベースでのEPSについてみると、2024年は前年比+10.1%と、2023年の同+1.5%から増益率が拡大すると予想されています。さらに、2025年、2026年と前年比二桁増益が予想されています。
米国には情報技術分野で世界をリードしている企業が多数あることから、AIの普及などに伴い、情報技術関連企業主導により企業業績が拡大していくことへの期待が織り込まれていると推察されます。
今後、2024年4-6月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、情報技術関連企業については、AI普及による業績拡大傾向に変わりがないかを確認していきたいと考えます。
一方、景気敏感業種については、会社業績見通しや経営陣コメントなどから、企業業績動向に加え、米国の景気動向への示唆が得られないか等を見ていきたいと考えます。
(野村證券投資情報部 村山 誠)