来週の注目点:日米金融政策会合と米中の重要統計

7月30日(火)~31日(水)には日本、米国で金融政策会合が開催されます。米国の金融政策は据え置きが予想されています。市場では次回9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ期待が高まっていることから、利下げ開始時期やその後の利下げペースに関して、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長から何らかのヒントが得られるかが注目点です。

日本銀行の金融政策決定会合では、展望レポートに加えて、国債買い入れ減額に関する具体的な計画が発表されます。事前に開催された「債券市場参加者会合」では減額幅や減額ペースについて参加者間の見解の相違が目立ちました。このため、日銀は予見可能性と柔軟性の両立という難しい選択を迫られそうです。同会合では円安懸念を背景に利上げ観測も根強く、日銀の判断が注目されます。

注目度の高い経済指標として米国では、7月31日(水)の4-6月期の雇用コスト指数、7月ADP全米雇用レポート、8月1日(木)の7月ISM製造業景気指数、2日(金)の7月雇用統計が挙げられます。

欧州では30日(火)にユーロ圏、ドイツの4-6月期実質GDP速報値が発表されます。今回は速報値のため需要項目は発表されませんが、ユーロ圏景気の回復ペースを確認する上で、市場の注目度は高いと見られます。

中国では31日(水)に7月政府版PMI、8月1日(木)に同じく7月財新版製造業PMIが発表されます。中国経済は不動産市況の低迷が重石となっているため、中央政府は様々な経済対策を講じていますが、5%の成長目標を達成するには未だ力不足だとみられます。

中国では例年この時期に中国共産党の現指導部と、長老や有識者の会合である「北戴河会議」が開催されます。原則として秘密会議であり、習近平1強体制の下で同会合が重要な転機になる可能性は低いと見られます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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