※画像はイメージです。

※2024年7月25日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均株価、下落率は過去の一時的調整局面のレンジ内に

今週の日経平均株価は、米ハイテク株安や円高進行を嫌気して大幅安となりました。25日まで7営業日続落し、約3ヶ月ぶりに3万8,000円台を割り込みました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、7月11日高値42,400円台まで上値を切り上げましたが、その後は、「三川宵の明星」の天井形成を示唆するパターンが示現し大幅安となりました。

22日に4万円の心理的フシを割り込み、25日には75日線(7月25日:39,083円)の水準を大きく下回り一時37,825円をつける等、次々とフシを抜けて下落しました。

この先、さらに調整が続く場合は、5月30日安値(37,617円)や、4月19日安値(36,733円)、200日移動平均線(7月25日:36,656円)が下値のメドとして挙げられます。

一方で、これまでの大幅安を受けて、25日移動平均線からの乖離率はマイナス5%を超え、RSIは20%台まで低下しており、短期的な売られすぎを示唆しています。

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(注1)直近値は2024年7月25日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

また、今年7月高値からの下落率(7月25日時点 終値ベース:10.3%、P5)は、既に過去の中長期上昇局面内の一時的調整時(図2中:①~④)における下落率(7.1~11.3%)のレンジ内に入っており、この先底入れ反発に向けた動きとなることが期待されます。

(注1)直近値は2024年7月25日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

ナスダック総合指数は調整進展、底入れ反発となるか

世界の株式市場は7月中旬から大幅安となっています。その中でも、ハイテク株のウェイトが高いナスダック総合指数は、米国の対中半導体規制強化の報道や、大手テクノロジー企業の失望的な決算等から、大きく値を切り下げました。そこで、今回は同指数についてチャート面からみてみましょう。

ナスダック総合指数は7月11日高値(ザラバベース:18,671pt)形成後に調整局面入りし、25日移動平均線を割り込んでおり、この先の下値メドとして、75日移動平均線(7月24日:16,992pt)や、今年3月高値(16,538pt)の水準が挙げられます(図3)。

(注1)直近値は2024年7月24日。(注2)トレンドライン等には主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

ただ、今回の下落は、中長期上昇局面内の一時的な調整であると考えられます(図4)。今年7月高値にかけての中長期上昇局面(22/12~24/7)と、前回の同上昇局面(20/3~21/11)を比較した場合、上昇幅や上昇率の点で今後も上昇余地が残っていると考えられ、調整一巡後は再び上昇トレンドに回帰すると考えられます。

7月24日時点で7月高値からの下落率は7.0%(終値ベース)となっています。過去の中長期上昇局面内の一時的調整局面(P17:①~⑥)における下落率のレンジ(7.1~12.3%)に接近しており、調整が進展している様子が窺えます。

これまでの急落を受けて、25日線からの乖離率等の各種テクニカル指標は低水準となっており、調整一巡後に底入れ反発へ向けた動きとなることが期待されます。

(注1)直近値は2024年7月24日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎 )

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