決算概要:2024年4-6月期(2024.9期第3四半期)
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間8月1日引け後に、モバイル端末の製造販売とクラウドサービス事業を行うアップル(AAPL US)が2024年4-6月期(2024.9期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.5%上回り、EPSは市場予想を4.0%上回りました。
増収回帰鮮明・生成AI強化へ
会社の2024年7-9月期の売上高見通しは、2024年4-6月期と同水準の前年同期比成長率(+4.9%)で、市場予想を上回りました。コロナ禍中の需要急増の反動減を受け、売上高成長率は2022年10-12月期以降、ほぼ横ばいや、マイナスが続いてきましたが、増収への回帰が鮮明となりました。一方で、香港・台湾を含む中華圏の売上高は、景気減速や中国政府機関での米国製通信端末の使用禁止などによる悪影響の継続を受け、実績が前年同期比-6.5%で、市場予想も6.0%下回りました。
会社は、開発者会議WWDC 2024で発表した生成AIサービスの「アップル・インテリジェンス」などのAIテクノロジーへの投資を大きく拡大するとコメントしました。
売上高とEPSの推移
株価は時間外取引で小幅高
アップルの株価は、前日比1.68%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比0.75%高の219.99ドルで推移しています(NY時間18:00)。増収基調を確認したことや、AI事業の成長のための設備投資の増額を市場が好感したためと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年8月1日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年4-6月期(2024/6)。2024年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2024年7-9月期以降の予想は2024年7月31日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)