※画像はイメージです。
※2024年8月1日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
再度、底値固めなるか
今週の日経平均株価は、円高進行を受けて8月1日に4営業日ぶりに大幅反落しました。ドル円相場は日米の金融政策決定会合を経て、約4ヶ月ぶりに1ドル=150円台を割り込みました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、7月11日高値(取引時間中ベース:42,426円)形成後に大幅安となり、26日安値(37,611円)にかけて次々とフシを抜けて下落しました。
その後一旦値を戻し75日移動平均線(8月1日:39,006円)を回復しましたが、円高・ドル安が加速したこと等を受けて、8月1日は大幅下落となりました。
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(注1)直近値は2024年8月1日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
この先、7月26日安値(37,611円)を下回った場合は、200日移動平均線(同:36,837円)や4月19日安値(36,733円)に向けて再度下値を固めにいく展開が見込まれます。一方で、RSI(8月1日:21.2%)は昨年10月以来の低水準となる等、一部テクニカル指標は短期的な売られすぎを示唆しています(図1)。
また、今年7月高値から同月安値までの下落率(終値ベース:10.8%、図2)は、既に過去の中長期上昇局面内の一時的調整時(図2中:①~④)における下落率(7.1~11.3%)のレンジ内に入っています。一部テクニカル指標や下落率の面からみれば、調整一巡後は底入れ反発に向けた動きとなることが期待されます。
※2024年8月1日時点のデータを基に執筆しています。
(注1)直近値は2024年8月1日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
米国長期金利の中長期上昇トレンドは転換したか
米国長期金利が低下基調となっています。7月30-31日に開催された米金融政策決定会合では市場予想通りとなる政策金利据え置きが決定されました。ただ、パウエルFRB議長は記者会見で、9月の利下げの可能性を強調したことを受けて、市場ではややハト派的(政策緩和に前向き)と受け止め、長期金利は大幅に低下しました。
今回は米国10年債利回りについてチャート面からみてみましょう。米国10年債利回りは、今年4月の4.735%を昨年10月ピーク(5.018%)に対する二番天井として再び低下基調となっています(図3)。
チャート上は今年7月末時点で、①昨年10月ピーク以降の下降トレンドを形成中であり、さらに、②今年4月以降は、やや急な下降トレンドも形成中です。
(注1)直近値は2024年7月31日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
また、7月末時点(4.029%)で、2020年3月ボトムからの中長期上昇局面で概ね下支えとなってきた12ヶ月移動平均線(7月末:4.315%)を明確に下回っており、昨年10月ピーク(5.018%)を天井とする本格的な利回り低下トレンドに入っている可能性がさらに高まったと捉えられます(図4)。
(注1)直近値は2024年7月31日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
過去の天井形成後は、1年を超える利回り低下トレンドとなるケースも多くみられています。チャート面からは米長期金利が大きな転換点を迎えている可能性が高いと言えそうです。
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)