(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

週明け5日の米国株式市場は、アジア、欧州の主要株価指数下落の流れを受けて大幅続落でのスタートとなり、NYダウの下げ幅は一時1,200ドルを超える場面もみられました。先週発表された、米国の7月ISM製造業景況指数や雇用統計が市場予想を下回ったことで、ハードランディング(景気の急速な失速)への警戒感が強まっています。5日発表の7月ISM非製造業景況指数が前月から改善したことはひとまず安心材料となりましたが、主要3指数は続落となりました。

相場の注目点

世界的に株安の連鎖が続いています。特に米国では6月下旬からハイテク株の不安定化が続いていましたが、米景気全体の後退懸念から市場心理が急速に冷え込んでおり、当面は市場の不安定な状態が続くとみられます。今後は経済指標の改善や米連邦準備理事会(FRB)による利下げによって、景気のソフトランディング(軟着陸)期待を回復できるかどうかがポイントです。野村證券では先週の米雇用統計を受けて、米国の年内の利下げ見通しをこれまでの9月、12月の2回から、11月を加えた年3回の利下げへと変更しました。また、リスクシナリオとして9月の利下げが0.50%ポイントとなる可能性もあると予想しています。FRBの対応が後手に回ったと判断された場合は一段とリスクオフが進む可能性があり、目先は8月22日-24日に開催されるジャクソンホール会合におけるパウエルFRB議長の発言が注目されます。

なお、米国市場で取引された日経平均のCME先物は33,190円であり、本日の日経平均株価は昨日終値(31,458円)から上昇して寄り付くことが想定されますが、引き続きボラティリティの高い展開が想定されます。本日は6月毎月勤労統計が発表されます。企業の賃上げにより基本給にあたる所定内給与は前年比+2.3%と伸び率は29年6ヶ月ぶりの高さとなりましたが、実質賃金は25ヶ月連続のマイナスです。実質賃金がプラスになるか注目されています。

(投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2024年8月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点