(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
7日の米国株式市場では、主要3指数が反落しました。アジアや欧州株式市場がしっかりした値動きとなった流れを受けて、また、短期的に売られ過ぎとの見方もあり、朝方はテクノロジー株を中心に主要3指数は上昇して始まりました。しかし、前日引け後発表のサーバーなど電子機器製造のスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)、7日寄り前発表のウォルト・ディズニー(DIS)の決算が失望される中で、米景気の減速や企業業績悪化への懸念が続き、相場は次第に失速しました。また、午後1時発表の10年債入札が軟調となり、米10年国債利回りが上昇したことも相場を下押しし、主要3指数は下げに転じました。為替市場では、急速な円高が一服し、1ドル=147円台後半まで円安ドル高方向に値を戻しました。日銀内田副総裁が7日の記者会見で、「市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と追加利上げに慎重な姿勢を示したことが主因です。
相場の注目点
米国市場では不安心理が一旦は緩和しましたが、米景気の減速や米企業業績悪化への懸念が継続しており、神経質な相場展開がしばらく続きそうです。しかし、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが速まることによる景気下支え効果が期待できるため、米景気の急減速は避けられると見ています。また、日本株は、株価急落による割安感が相場の支えになるため、1か月前後で安定化に向かうと野村證券では予想します。日銀の早期利上げの可能性が後退したことも相場の支援材料ですが、内田副総裁は不安定な相場への配慮と同時に継続的な利上げを示唆しており、年内には日銀の追加利上げ期待が再燃し、再び円高圧力となる可能性には注意が必要です。本日は、7月日銀金融政策決定会合における主な意見が公表されます。今後の日銀の金融政策を占う上で参考になります。
(投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年8月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。