(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
15日の米国市場では米国経済の底堅さを示す指標を受けて、米国株が続伸、S&P500は6営業日連続で上昇しました。米国債市場では利下げ観測の一部後退を受けて、短期債中心に金利が上昇、為替市場ではドルが上昇し、ドル円相場は1米ドル=149円台までドル高円安が進行するなど、典型的な「リスクオン」の展開となりました。経済指標では7月の小売売上高が前月比+1.0%と市場予想(同+0.4%)を上回り、前月(同-0.2%)から反発、8月10日週の新規失業保険件数は22.7万人と2週連続で減少しました。
相場の注目点
これまでの米国市場では経済指標の下振れは、利下げ観測の強化と長期金利の低下を通じて株高に寄与する傾向が見受けられました。ただし、8月初旬の急落局面以降、経済指標の強弱に素直に反応する傾向が強まっています。このような市場の変化は、FRB(米連邦準備理事会)の利下げを後押しする材料となり得る一方で、円安を通じた物価上昇圧力を懸念し始めた日銀にとっては、金融緩和の是正を促す要因となる可能性があります。米国の金融政策を巡っては、8月はFOMC(米連邦公開市場委員会)は予定されていないため、来週(22~24日)のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の発言が注目されます。
本日のイベント
本日は米国で7月の住宅着工・建設許可件数、8月のミシガン大消費者マインド調査が発表されます。米国では金利上昇の影響を受けやすい住宅関連や消費の一部に弱さがみられることから、両指標の結果が注目されます。
(投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年8月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。