来週の注目点:主要国の景況感、ジャクソンホール会議、日本のインフレ率

米国では大きな相場変動をもたらした過度な景気後退懸念が緩和し、景気のソフトランディング(軟着陸)期待が再び高まっています。9月17~18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%ポイントの大幅利下げに踏み切るかどうかは、インフレ減速以上に雇用を中心とした景気後退リスクに依存すると見ています。

米国の経済指標では、22日(木)に週間新規失業保険申請件数、7月中古住宅販売件数、8月S&PグローバルPMI速報値、23日(金)に7月新築住宅販売件数が発表されます。住宅価格の高騰、住宅ローン金利の高止まりが新築及び中古住宅販売を下押しすると見られます。米国の金融政策を占う上では、21日(水)の7月FOMC議事要旨、22日(木)~24日(土)に開催されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の発言にも注目です。  

また、11月の米大統領選に向けて19日(月)~22日(木)に民主党全国大会が開催され、民主党の正副大統領候補が正式に指名されます。オンライン投票で既にハリス副大統領が民主党の大統領候補として正式に指名されることが決定しています。また、ハリス副大統領は、副大統領候補としてワルツ・ミネソタ州知事を指名すると発表済です。今後の注目点は、9月に予定される大統領候補者による討論会です。共和党大統領候補のトランプ前大統領は複数の候補日を提示していますが、ハリス副大統領は9月10日の討論会にのみ出席する意向を明示しています。

日本では、19日(月)に6月機械受注と7-9月期見通し、21日(水)に7月訪日外国人客数、22日(木)に8月auじぶん銀行PMI速報値、23日(金)に7月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。野村證券では、7月のコアCPIは前年同月比+2.7%と、前月の同+2.6%から加速すると予想します。

ユーロ圏では、22日(木)にECB金融政策理事会議事要旨、8月HCOBユーロ圏PMI速報値が発表されます。足元でドイツ経済が再び失速しつつあり、不透明な金融政策、米景気の先行き懸念、中東の紛争激化などもユーロ圏の景況感を下押しすると見られます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

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