(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
8月30日の米国株式市場で、主要3指数は揃って上昇し、NYダウは史上最高値を更新しました。注目された7月米個人消費・所得統計ではPCEコア価格指数は概ね市場予想通りに減速した一方、個人消費支出が堅調に推移するなど、米国の景気悪化への懸念が後退したことが株価を押し上げました。
相場の注目点
米国では9月3日(火)に8月ISM製造業景気指数、4日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日(木)に8月ADP全米雇用レポート、8月ISMサービス業景気指数、6日(金)に8月雇用統計と重要統計の発表が続きます。これら指標で米国景気に底堅さとインフレの鎮静化傾向が確認され、米国経済のソフトランディングへの期待が強まれば、S&P500指数も史上最高値を更新する可能性が考えられます。金融政策関連では4日に地区連銀経済報告、いわゆるベージュブックが公表されます。なお9月FOMC(17-18日)を前に、FRB高官は7日から沈黙期間に入ります。FRB高官の講演会等における発言も含め、FRBによる経済の現状認識と政策スタンスを確認したいと考えます。日本では、9月5日(木)に7月毎月勤労統計が発表されます。野村證券では、7月の現金給与総額(1人当たり賃金)は前年同月比+2.3%と、前月から減速すると予想します。夏季賞与の支給タイミングが6月にずれ込んだことが7月の賃金の伸び率の鈍化をもたらしたと見ています。
本日のイベント
日本市場場中には、中国の8月財新版PMIが発表されます。週末に発表された政府版では、製造業は悪化、非製造業は改善とまちまちの結果となりました。中国景気に対する警戒感が和らぐか、財新版PMIが注目されます。
(投資情報部 澤田 麻希)
(注)データは日本時間2024年9月2日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。