(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

9月5日の米主要3指数はまちまちの展開でした。8月ADP全米雇用レポートが前月比9.9万人増と、市場予想(同14.5万人増)を下振れ、2021年1月以来の低い伸びとなりました。一方、週間新規失業保険申請件数は、22.7万件と前週(23.2万件)から減少しました。6日の雇用統計の発表を前に、労働市場に関連する指標の結果がまちまちだったことから、S&P500指数は方向感に欠ける展開となりました。米10年国債利回りが前日から低下し、ハイテク株の一角に買いが入ったことから、ナスダック総合指数は小幅ながら3営業日ぶりに反発しました。

相場の注目点

市場の焦点は、9月FOMCにおけるFRBの利下げ幅やその先の政策スタンスです。FRBは足元で雇用など景気悪化への警戒を強めており、インフレ動向よりも雇用など景気に関する指標を重視して政策判断にあたると考えられます。そのため、本日発表される米国の8月雇用統計は重要です。前回7月の雇用統計は、市場の米国景気先行きへの懸念を強める結果となり、主要国株価の大幅下落の一因となりました。ただし、7月分データの弱さには、ハリケーンによる影響があったとみられ、8月分では一段の雇用環境悪化が示される公算は小さいと、野村證券ではみています。

本日のイベント

米国では、NY連銀ウィリアムズ総裁やウォラーFRB理事の講演が予定されています。7日からは、9月FOMCのブラックアウト(金融政策に関する発言を自粛)期間に入るため、FRB高官の発言から政策動向を見極める最後の機会となります。

(投資情報部 澤田 麻希)

(注)データは日本時間2024年9月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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