※画像はイメージです。
※2024年9月5日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
8月安値に次ぐ二番底を固めにいく展開か
今週の日経平均株価は、米国株安と円高進行が嫌気され軟調でした。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、8月30日に今年7月以降の下落幅の2/3戻し水準(38,669円)を達成し、9月2日には一時39,000円を回復する水準まで値を戻しました。
しかし、米国株安を受けて9月4日に歴代5位の下落幅(1,638円安)となる大幅安となりました。200日線(9月5日:37,464円)や25日線(同:37,017円)を再度下回ってきており、さらに下げが続く場合は8月安値に次ぐ二番底を固めにいく展開に移行したと考えられます。その場合、8月以降の上昇幅に対する半値押し水準(35,118円)が下値メドとして意識されます。
一方、200日線(9月5日:37,464円)や25日線(同:37,017円)を早期に回復して反発に転じる場合は、先行き9月2日に付けた戻り高値(39,080円)を奪回できるか注目されます。
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(注1)直近値は2024年9月5日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
今年8月安値にかけて歴史的下落を演じた株価ですが、2010年代から続く“超長期上昇トレンド”自体は継続中だと考えられ、今回の調整は一時的な調整だと考えられます(図2)。
この先、しばらくは、振れ幅の大きい展開が続くとみられますが、徐々に落ち着きを取り戻していくと考えられます。
(注1)直近値は2024年9月5日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成
日経平均株価 続・ブラックマンデー時と今回の比較
日経平均株価は9月に入り再び不安定な展開となっています。ただ、8月安値にかけて急落し、その後に急反発した後の動きとしては、想定の範囲内の動きと捉えることができます。
今回の相場の下落は、円キャリートレード(円で資金調達し世界中のリスク資産に投資する取引)の巻き戻し等、需給上の要因が大きかったとみられています。
同様に需給上の要因が大きかったとされるブラックマンデー時の動きと比較してみたいと思います(図3)。ブラックマンデー時は大底をつけてから、その後もしばらくは振れ幅の大きい展開が続きました。
具体的には大底から約1ヶ月半後(36営業日後)に二番底がありました。
今回の相場における8月5日ボトムに同様の日柄を当てはめると9月27日となるため、当面は振れ幅が大きい動きに注意が必要です。一方で、ブラックマンデー時は直前の高値から半年程度で、同水準を回復しています。
(注1)直近値は2024年9月5日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
今回の9月戻り高値までのリバウンドは、ブラックマンデー時と比較しても勢いのある反発となっていました。月間騰落率のアノマリーをみると、9月はパフォーマンスが良くない月として知られていますが、その後、年末・年始にかけてのパフォーマンスは良好となっています(図4)。
鬼門の9月相場を通過し、11月の米大統領選挙等を経て不透明感が払しょくされてくれば、年末・年始にかけて今年7月高値(42,224円)回復を視野に入れる本格上昇となる可能性も十分考えられるでしょう。
(注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値。 (注2) 順位は平均月別騰落率の上位順。 (注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面。 (注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。
(出所)日本経済新聞社、S&Pダウ・ジョーンズ株式会社より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)