来週の注目点:米大統領候補者の討論会、自民党総裁選とECB会合
2024年8月のジャクソンホール会合でパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は事実上、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げをアナウンスしました。このため市場の関心は利下げ幅とその後の利下げペースへと移っているようです。シカゴ商品先物市場の試算では0.5%ポイントの利下げが4割程度織り込まれています。なお、FRBは7日よりブラックアウト期間(金融政策に関する発言の自粛期間)に入るため、今週はFRB高官の講演等は予定されていません。
今週の米国における最大の注目点は、10日(火)に予定されている大統領候補者討論会です。6月に開かれた討論会で精彩を欠いたことが、バイデン大統領が大統領選から撤退する契機となりました。民主党の大統領候補に指名されたハリス副大統領の支持率は、主要な激戦州でもトランプ前大統領を上回っている模様です。この討論会を経て、更に差を広げることができるのか、あるいはトランプ前大統領が巻き返すのか、注目されます。その他、11日(水)の8月消費者物価指数と10年物国債入札も市場の注目を集めると見られます。
日本では11日(水)に日銀の中川審議委員、12日(木)に田村審議委員が公の場で発言します。両委員は共に7月の利上げに賛成するなど、正副総裁と投票行動を共にしていますが、金融機関出身者として8月以降の市場動向に対する独自の見解が聞かれるかが注目されます。12日(木)には自民党総裁選が告示されます。戦後例を見ない混戦となっていること、総裁選後に解散総選挙が実施される可能性があることから、新総裁とその勝ち方も含めて注目されます。
欧州では12日(木)にECB(欧州中央銀行)の金融政策理事会が開催されます。市場では0.25%ポイントの利下げが予想されており、一部には10月の連続利下げを予想する向きもあるようですが、ラガルド総裁は連続利下げに慎重な姿勢を示すことが予想されます。
(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)
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