(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

12日の米国株式市場では、主要3指数が揃って続伸しました。朝方発表された米国の8月卸売物価指数(PPI)は前月比+0.2%と市場予想(+0.1%)を上回りましたが、前年比では+1.7%と市場予想(+1.8%)を下回り、インフレの減速傾向が改めて確認されました。コア指数も同様の結果であったことから、前日発表の8月米消費者物価指数(CPI)の結果と合わせて9月会合でFRBが0.25%ポイントの利下げを実施するとの観測が継続し、相場を押し上げました。また、11日のイベントでCEOがAI関連製品の需要の強さを改めて強調したエヌビディアが上昇した他、前週まで下げが目立ったテクノロジー株が値を戻し、相場をけん引しました。為替市場では金融政策会合を来週に控え、ドル円は1ドル=142円台を中心に小動きとなりました。

相場の注目点

日本株は、足元の米国株の上昇が相場の支えとなる一方で、円高ドル安の進行が相場の上値を抑える可能性があります。今週末から来週に掛けての相場は、日米の金融政策会合の結果発表待ちの展開を見込みます。17日(火)~18日(水)に9月FOMC(米連邦公開市場委員会)、19日(木)~20日(金)に日銀金融政策決定会合が開催されます。来週前半は様子見姿勢が強まり、週後半は各会合の結果次第で相場が大きく動く可能性もあり、注意が必要です。野村證券では、トランプ米大統領選候補の再選可能性の低下、日銀の利上げ姿勢の継続、原油価格の下落などを背景に、為替見通しを9月12日に円高ドル安方向に修正しました。24年末は1ドル=145円(従来は148円)、25年末を1ドル=135円(従来は140円)と予想します。なお、9月10日のテレビ討論会ではハリス米大統領候補が支持を拡げたものの、トランプ候補勝利の可能性は依然として小さくないため、同候補が巻き返した場合には円安ドル高圧力が強まる可能性もあります。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年9月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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