※画像はイメージです。

※2024年9月12日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

振れ幅大きい展開続くも、超長期上昇トレンドは継続中

今週は、ドルが対円で約8ヶ月ぶりに一時1ドル=141円台を割り込むなど、円高が進行したことを受け、日経平均株価は一時35,200円台まで下落しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月2日に一時39,000円を回復しましたが、米国で景気悪化懸念が再燃して米国株安となったことや、円高・ドル安が進展したことで、大幅に下落し、9月9日には一時35,247円まで値を下げました。

その後、12日に前日比で1,213円の大幅上昇となり、前述の9日安値と11日安値(35,253円)でのダブルボトムが完成しており、この先、まずは、25日移動平均線(9月12日:37,255円)や200日線(同:37,537円)の水準を奪回できるか注目されます。

奪回となれば、8月5日安値に対する二番底を形成した可能性が高まったと捉えられ、75日線(同:38,415円)や9月2日戻り高値(39,080円)を超える動きに繋がってくるとみられます。

一方で、戻りが鈍く、再度調整となる場合は、9月9日安値(35,247円)や、8月以降の上昇幅に対する半値押しの水準(35,118円)が下値メドとして意識されます。

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(注1)直近値は2024年9月12日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

8月に歴史的な下落を演じ、9月に入ってからも不安定な状況となっていますが、2010年代から続く“超長期上昇トレンド”自体は継続中とみられます(図2)。しばらくは、振れ幅の大きい展開が続くとみられますが、徐々に落ち着きを取り戻していくと考えられます。

(注1)直近値は2024年9月12日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成

衆議院選挙と株価、解散日から投票日まで株高傾向

岸田首相の任期満了に伴う自民党総裁選が9月12日に告示日を迎え、27日の投開票に向けて本格的な論戦がスタートしました。

過去最多となる9人が立候補しており、結果の読めない混戦模様となっています。ただ、市場では、いずれの候補が新総裁=新首相となったとしても、新政権は今後の政権・党運営等を見据えて、年内にも解散総選挙に踏み切るとの見方が優勢のようです。

過去の衆議院選挙と株式相場動向(図3)をみると、解散日から投票日までの期間に株価が上昇する傾向が見られます(図3A→B)。

戦後東証再開以降、過去25回の衆議院選挙のうち20回で日経平均株価は上昇しています。1990年以降に限れば11回中10回で上昇しており、平均騰落率も+3.3%と前者の+2.2%を上回っています。新政権への期待感や近年は経済対策発表などとセットとなることが多いことが、その背景として挙げられそうです。

一方、投票日から1ヶ月後までの期間(図3B→C)では勝率や騰落率が大きく落ち込みます。とりわけ、1990年以降の期間では顕著に悪化しています。選挙結果次第でその後の相場展開は異なることが多いようです。

近年一段高したケースは、政権交代が実現してアベノミクスへの期待が膨らんだ2012年が挙げられます。2017年のケースは長期安定政権の誕生が評価されたと考えられます。

(注1)投票日が休祭日の場合は前営業日の株価を基準日に採用。(注2)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・投票日が5日違いで行われた衆参同時選挙。
(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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