来週の注目点:日米の金融政策、米中の経済指標

今週は日米の金融政策会合が注目されます。9月FOMC(米連邦公開市場委員会)は17日(火)~18日(水)に開催されます。市場では利下げ決定が確実視されており、今後の利下げペースに関心が集まっています。今会合では0.25%ポイントの利下げを見込む向きが優勢ですが、労働市場の軟化を受けて0.50%ポイントの大幅利下げへの期待も依然として残っています。結果次第で相場が大きく変動する可能性があり、注意が必要です。

また、米国では引き締め領域にある金融政策と米大統領選挙の不透明感が米国の景況感を悪化させる要因となっています。16日(月)に9月NY連銀製造業景気指数、17日(火)に8月小売売上高、8月鉱工業生産、18日(水)に8月住宅着工・建設許可件数、19日(木)に9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、8月中古住宅販売件数が発表され、注目が集まります。

日本では19日(木)~20日(金)に日銀金融政策決定会合が開かれます。今会合では金融政策の現状維持が見込まれています。7月会合での利上げの影響と、その後に不安定化した金融市場の動向を見極めるため、日銀は利上げを急がないと見られます。また、18日(水)に7月機械受注、20日(金)に8月全国消費者物価指数が発表されます。

景気減速懸念が続く中国では、14日(土)に8月小売売上高、鉱工業生産、1-8月固定資産投資、不動産投資などの主要月次統計が発表されます。先んじて発表された8月のPMI(購買担当者景気指数)では製造業の低迷、8月の物価統計や貿易統計では内需の弱さを示唆する内容であったことから、8月の主要月次統計では景気の減速が確認される可能性があります。

その他、主要国で金融政策決定会合の開催が相次ぎます。18日(水)にインドネシアとブラジル、19日(木)に英国、トルコ、南アフリカで開催が予定されています。結果次第では各国通貨への影響が見込まれます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

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