※画像はイメージです。
※2024年9月26日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
年末にかけて、本格的な戻し相場入りが期待される
今週の日経平均株価は、半導体関連株を中心に堅調に推移し、約3週間ぶりに3万8,000円台を回復しました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月9日安値(ザラバベース:35,247円)形成後に反発しました。米FOMCを通過後に上昇に弾みがつき、20日に25日移動平均線(9月26日:37,496円)や200日線(同:37,693円)の水準を奪回し、26日には75日線(同:38,283円)を上抜けました。
主要な上値抵抗線を突破しており、この先9月2日戻り高値(39,080円)を奪回となれば、8月5日安値に対する二番底が完成します。その場合、本格的な上昇相場に移行すると考えられ、まずは心理的な節目である4万円を目指し、さらに今年7月につけた史上最高値(42,426円)を視野に入れる動きになると期待されます。
一方で、大幅上昇の反動から押しを入れる場合は、25日移動平均線(9月26日:37,496円)が下支えとなるか注目されます。
※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。
(注1)直近値は2024年9月26日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
日経平均株価は9月に入ってからも振れ幅の大きい状況が続いています。ただし、ブラックマンデー時は底入れから約1ヶ月半(36営業日)で二番底をつけ、その後本格的な上昇相場に移行しました(図2)。
今回は8月5日の安値からすでに約1ヶ月半(35営業日)が経過しています。また、月別の騰落率を見ると、9月以降は年末年始にかけてパフォーマンスが改善する傾向が見られます(図3)。これらの日柄や季節性を考慮すれば、今後、年末にかけて本格的な戻し相場に入ることが期待されます。
(注1)直近値は2024年9月26日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
(注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値 (注2) 順位は平均月別騰落率の上位順 (注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面 (注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。
(出所)日本経済新聞社、S&Pダウ・ジョーンズ株式会社より野村證券投資情報部作成
NYダウ長期展望、上昇余地とその先の展開を考える
9月にNYダウは史上最高値を記録しました(25日時点)。景気悪化に対する過度な懸念が後退し、米FOMCでの大幅利下げが決定されたことが、ソフトランディングへの期待を高める結果となりました。今回はNYダウの上昇余地と、その先の展開について考察します。
過去の長期上昇局面を分析すると、2009年の安値形成後に5回の上昇局面(図4:図中①~⑤)がありました。コロナショックでの高値形成を除けば、株価は安値から1.7倍から2.0倍に上昇しています。
仮に上昇倍率1.7倍を2022年9月の安値に当てはめると、48,832ドルと試算でき、今後も上昇の余地があると考えられます。
(注1)直近値は2024年9月25日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所))S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成
しかし、上昇余地があるとはいえ、長期上昇トレンドがいつまでも続くわけではありません。長期トレンドの断絶が、来年なのか、再来年なのかは不明ですが、いずれかのタイミングで発生すると考えられます。
トレンドが断絶したケースとして、直近では2022年9月の安値に向けた調整(インフレ懸念と米利上げの影響)や、2020年3月の安値に向けた調整(コロナショック)が挙げられます。
一方で、これまでこれらの断絶を経験しながらも、2009年安値(6,547ドル)以降の「超長期的な上昇トレンド」は継続しています(図5)。この「超長期上昇トレンド」は、前回が22年、前々回が24年にわたり継続していましたが、今回は2009年安値から15年目にあたります。
たとえ2022年9月以降の長期上昇トレンドが終わりを告げたとしても、「超長期上昇トレンド」は株価下落に対するセーフティーネットとして機能することが期待されます。
(注1))縦軸は対数目盛。1896年は5月26日以降のデータ。直近値は2024年8月末時点。トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社、各種データより野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)