(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
17日の米国株式市場では、寄り前に発表された9月の小売売上高が前月比+0.4%と市場予想(同+0.3%)を上回ったことを好感し、前日から上昇して始まったものの、取引終盤にかけて値を消す展開となり、S&P500は小幅安、NYダウ、ナスダック総合は小幅高で引けています。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)は2024年の売上高見通しを上方修正、2024年7-9月期の純利益はアナリスト予想を上回りました。ASMLホールディング(ASML)の決算発表を受けて高まった人工知能(AI)や半導体需要への先行き懸念は緩和され、情報技術関連株は反発しました。米国では経済指標の上振れを受けて長期国債を中心に金利が上昇、ドル円相場は再び150円を超えるドル高円安水準へ上昇しました。
相場の注目点
ECB(欧州中央銀行)は17日、市場予想通り0.25%ポイントの利下げを決定しました。9月会合に続いて連続利下げを行った背景には、インフレが鎮静化する中で、ドイツを中心に景気下振れリスクが高まっていることがあります。野村證券では2025年6月会合まで毎会合での利下げに加えて、2025年9月会合での利下げを予想しています。米国の金融政策に関しては、2024年中は2回、2025年中は4回の利下げを予想しています。米大統領選挙でトランプ氏が当選した場合は、上院・下院共に共和党が過半数を占める「レッドウェーブ」となる可能性が高まっています。トランプ氏の掲げる政策はインフレ圧力を高めると想定され、米FRB(連邦準備理事会)の利下げ判断にも影響を与える可能性があります。トランプ氏の当選は金利上昇、ドル高につながる一方、米国株の重石になる可能性があるとみられていることから、米大統領選挙が終盤戦を迎える中で選挙情勢の変化とそれに対する市場の反応が注目されます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年10月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。