※画像はイメージです。

※2024年10月31日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

年末にかけて本格的な戻し相場が期待される

今週は、衆議院選挙を通過したことに加え、決算が概ね堅調だった銘柄も多く、日経平均株価は上昇しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、10月22-23日にかけて25日移動平均線(10月31日:38,849円)や、200日線(同:38,370円)、75日線(同:38,019円)といった主要な移動平均線が集中する水準を割り込む展開となりました。

ただ、衆議院選挙後の28日は、朝方の売り一巡後にイベント通過による買い戻しが広がりました。その後、25日線(同:38,849円)を回復しており、今後、同線を維持できれば、10月15日高値(40,257円)の水準が視野に入ってくるとみられます。

一方、再度調整に転じ25日線を割り込んだ場合、まずは、10月24日安値(37,712円)や、10月2日安値(37,651円)の水準が下値のメドとして挙げられます。

さらなる調整となった場合は、9月19-20日のマド埋め水準(37,394円)や、9月18-19日のマド埋め水準(36,675円)が次の下値メドとして挙げられます。

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(注1)直近値は2024年10月31日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

8月に急落した日経平均株価は、9月・10月も一時大幅安となる等、振れ幅の大きい動きがみられました。ただ、10月高値までの上昇で底入れパターンであるダブルボトムが完成し、さらに8月5日の安値からこれまでに約3ヶ月が経過し日柄調整も進展しています(図2)。

今後徐々に相場は落ち着きを取り戻すと見られ、年末にかけて本格的な戻し相場に入ることが期待されます。

(注1)直近値は2024年10月31日時点。(注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

米長期金利再上昇も、一時的上昇に留まる可能性高い

米国10年債利回りが上昇しています。今年9月に一時3.5%台まで下落しましたが、米景気のソフトランディング期待や、米大統領選挙で減税を掲げるトランプ氏勝利の可能性を意識した動きもあり、10月には4.3%へと大幅に上昇しました(図3)。ただし、チャート分析の観点からみれば、今回の利回り上昇は一時的なものに留まる可能性が高いと考えています。なぜなら、今夏に52週移動平均線を一時大きく下回ったからです。

52週線は2020年3月以降の上昇局面において何度も下値サポートラインとなってきました。このラインを一時的にでも大きく下回ったことで、中長期的な利回り低下局面に入ったと考えられます。過去の中長期利回り低下局面は、おおよそ1年半~2年半程度続いており、この先も同局面が継続する可能性が高いと考えられます。

今年10月に再度52週線を上回る水準へと上昇していますが、この先、23年10月高値以降の下降トレンドラインに上値を抑えられ、再び低下傾向となるか注目されます。

(注1)直近値は2024年10月29日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

米長期金利上昇という向かい風の中、ナスダック総合指数は、10月29日に史上最高値を更新しました。過去の中長期上昇局面(図4:①~⑤、コロナショックで天井形成の④を除く)の株価上昇倍率(1.9-2.3倍)を参考とすれば、今後も上昇余地があると考えられます。

(注1)直近値は2024年10月30日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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