(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8日の米国株式市場では、大統領選挙後の株高の流れが継続し、主要3指数が揃って最高値を更新しました。ただし、国債市場では10年国債利回りが2日連続で低下、公益、不動産セクターがS&P500の上昇を牽引するなど、大型減税や規制緩和、インフレ圧力の台頭をテーマとした「トランプトレード」からの変化を示唆する結果でした。為替市場ではドルは円を除く主要通貨に対して上昇したものの、ドル円相場は152円台後半の円高水準まで巻き戻されています。背景には米国の輸入関税引き上げへの警戒からドル買いの対象通貨がユーロや資源国通貨へシフトした面や、先週末に発表された中国の財政政策への失望があると見られます。

相場の注目点

米大統領・議会選挙の結果を受けて、市場では経済見通しや金融政策、金融市場の見通し変更が相次いでいます。野村證券では、トランプ新政権では輸入関税の引き上げが先行して実施されると見込まれることから、実質GDP成長率見通しを下方修正、インフレ見通しを上方修正し、金融政策見通しを25年末までに5回の利下げから、24年12月、25年3月に利下げ後は、暫く様子見に転じるとの予想に改定しました。また、為替見通しをドル高方向への見直し、24年末は1ドル=152.5円(旧145.0円)、25年末は140.0円(旧135.0円)と予想しています。

本日のイベント

本日、日本では首相指名選挙が行われ、相対多数で石破首相が選出される見込みです。自民党と国民民主党の党首会談も予定されており、国民民主党の経済政策をどこまで受け入れることで決着するかが注目されます。

(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年11月11日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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