(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
18日の米国株式市場では、ナスダック総合指数が反発した一方、NYダウは続落しました。FRBによる利下げ期待の後退が相場を下押ししていますが、次期トランプ政権による規制緩和への期待がテクノロジー株の一部の上昇につながり、全体を押し上げました。個別銘柄では、次期政権が自動運転に関する規制の整備を計画していると伝わったことを受けてテスラ(TSLA)が上昇しました。一方、次世代AI半導体「ブラックウェル」を搭載したサーバーに放熱の問題があったと伝わったエヌビディア(NVDA)は、新製品の投入の遅れが懸念され下落しました。為替市場では、前日の講演で日銀の植田総裁が12月会合で利上げを行うかのヒントを示さなかったことが円安ドル高につながり、一時は1ドル=155円を突破しましたが、その後154円台後半に値を戻しました。
相場の注目点
米国株は、20日発表のAI向け半導体大手のエヌビディアの決算待ちの状況です。AIビジネスの現状と持続可能性の観点から注目されます。同社の業績やガイダンスに加え、投入の遅延が懸念される新型のAI向け半導体に関する発言に注目です。内容次第では、国内の半導体関連銘柄への影響を通じて、相場全体が大きく振れる可能性があります。他方、日本では、決算発表が一巡し、日米共に市場を動意づけるような経済指標の発表が予定されていない中、引き続きトランプ次期政権の閣僚人事や、日米の金融政策に注目が集まります。前日の日銀植田総裁による講演では12月会合に向けた利上げの明確な地ならしは行われませんでしたが、日米の経済指標や金融市場に大きな変調がなければ、日銀は12月会合で利上げを実施すると野村では見ています。植田総裁は21日にも講演を予定しており、注目です。
(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年11月19日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。