来週の注目点:12月FOMCに向けて米国の経済指標に注目

米国景気が上振れし、FRBの利下げが難しくなるリスクが市場では意識されています。トランプ次期政権による減税などの景気刺激策や、関税引き上げなどの通商政策、移民規制はいずれもインフレ圧力を高めるとの見方が強まっています。足元では、タカ派(利下げに慎重)的なボウマンFRB理事が利下げに対して慎重な姿勢を示し、ハト派(利下げに積極的)のクック理事も利下げを急がない旨の発言を行ったことも市場の利下げ期待を低下させています。12月17日(火)~18日(水)開催のFOMCに向けて、米国の経済指標やFRB高官発言に注目です。

米国では、26日(火)に11月FOMC議事要旨、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、27日(水)に10月個人消費支出・所得統計、10月耐久財受注、29日(金)に11月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。また、同日の大規模セール「ブラックフライデー」を皮切りに年末商戦が本格的にスタートします。米国の個人消費の状況は今後の金融政策を占う上で重要です。

日本では、29日(金)に10月鉱工業生産が発表されます。自動車は工場稼働停止からの挽回生産の継続が期待できる一方、在庫調整の進展を受けて堅調だった電子部品・デバイスは回復ペースが鈍化する可能性が指摘されています。

ユーロ圏では、25日(月)にドイツの11月Ifo企業景況感指数が発表されます。ドイツでは、連立政権の崩壊や米国の次期政権による関税引き上げへの懸念が景況感を下押しすると見ています。29日(金)発表の11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、前年同月比+2.3%と前月から同+0.3%ポイント加速したと野村では予想します。ECBは景気、インフレ動向に配慮して、12月にも0.25%ポイントの小幅利下げを実施すると予想します。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月22日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
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(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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