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史上最高値の更新を続ける米国株を尻目に、日本株は足元で上値が重く、日経平均株価は4万円台回復を前に足踏みが続いています。米トランプ次期政権の通商政策への警戒感に加え、総選挙での与党大敗による政局不透明感の強まりという日本独自の要因もあるにせよ、連動性が高い米ナスダック総合指数が最高値圏にある中で、日本株の相対的な出遅れ感は際立っています。
しかしながら、チャート面では、2024年7月に付けた史上最高値形成後の日柄調整は十分に進展したように見えます。日経平均株価の週足チャートに着目すると、短期(13週)・中期(26週)・長期(52週)の移動平均線がかなり収れんしてきました。11月28日現在、13週線は38,345円、26週線は38,462円、52週線は37,859円に位置しており、現在の株価(終値:38,349円)を含めて、上下600円程度の価格レンジに収まっています。足元で13週・26週線は横ばい、52週線は上向きで推移していますので、この差は週ごとにさらに縮まっていく見込みです。
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(注1)直近値は2024年11月28日時点。
(注2)東証プライム騰落レシオの主なボトムと、その前後の日経平均株価を赤丸囲みで示した。
(注3)東証プライム騰落レシオが70~80%の箇所を赤色網掛けしている。
(出所)日本経済新聞社、東京証券取引所より野村證券投資情報部作成
短・中・長期の移動平均線の収れん現象は、株価の日柄調整が名実ともに十分に進展したことを示すとともに、株価が移動平均線から放れた方向に向けて新たなトレンドがスタートするタイミングが近いことを示すサインと受け止められます。その意味では、今後、日経平均株価がレンジ上限となる26週線が位置する38,400円台を明確に上抜けてくるのか、あるいは、レンジ下限となる52週線が位置する37,800円台を明確に下抜けてくるのかは、チャート面での重要なポイントと言えるでしょう。
総合的に判断すれば、日経平均株価は近く上放れする可能性の方が高いと考えています。日柄調整が続く中、東証プライム騰落レシオは11月に入って一時82%まで低下し、近年において株価底入れのタイミングの目安となっている70~80%のレンジに接近しました(下図)。日経平均株価の過去の月別平均騰落率(1949年6月~2024年7月で算出)を見ても、12月は全体の4位で+1.11%、続く1月は断トツ1位の+2.23%となっており、アノマリー面でも相場の地合い好転の可能性が示唆されています。日本株の出遅れ修正の動きに備えるべきタイミングと考えます。
テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。