(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
注目された米国の11月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比+22.7万人増と市場予想(同+22万人増)と概ね一致し、ハリケーンと大規模ストの影響で急減速していた前月(同+1.2万人増から同+3.6万人増へ上方修正)からの回復を示した一方、失業率は4.2%へ上昇しました。市場では労働市場は著しく悪化はしていないものの、減速傾向にあるとの見方が高まり、12月FOMCでの利下げ織り込みが前日の7割程度から8割強へ高まりました。利下げ観測を背景に米国債市場では短期債中心に金利が低下、これを好感してS&P500は反発しました。為替市場は雇用統計発表直後は米ドル安で反応しましたが、FRB高官から利下げに慎重な発言が相次いだこともあり、その後米ドルは持ち直しました。
相場の注目点
FRBのボウマン理事は「利下げは慎重に進めたい」との考えを示し、ハマック・クリーブランド連銀総裁は「利下げペースを減速させるべきポイントに当局者はいる、ないし近い」との見解を示すなど、FRB内では利下げに慎重な見方が浸透しているようです。ただし、次回12月17-18日のFOMCに向けて金利据え置きに積極的な意見が確認できないことを踏まえて、野村證券では政策金利見通しを見直しました。従来は次回12月は金利据え置き、25年3月と6月の利下げを予想してきましたが、12月と25年3月にいずれも0.25%ポイントの利下げを実施し、その後、25年中は政策金利を据え置くと予想します。
本日のイベント
本日、米国では重要統計の発表は予定されていません。次回12月FOMCでの利下げの可能性を探る上では、11日(水)発表の11月CPI統計が注目されます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年12月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。