今週は主要国で重要な経済指標と金融政策の発表が相次ぎ、企業決算の発表が本格化します。足元では新型コロナ変異株の感染拡大、世界景気の回復がペースダウンするとの懸念が相場の調整につながっています。4-6月期は概ね企業業績の回復が見込まれていますが、7-9月期以降の会社予想の前提として先行きの景気をどう判断しているのかが注目されます。

 米国では、27日(火)に6月耐久財受注、7月消費者信頼感指数、29日(木)に4-6月期実質GDP速報値、30日(金)に6月個人消費支出・所得統計が発表されます。また、28日(水)にはFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が公表されます。景気下振れリスクが懸念される中、FOMCメンバーの景況判断に注目が集まります。

 ユーロ圏では、26日(月)にドイツの7月Ifo企業景況感指数、30日(金)にユーロ圏及びドイツの4-6月期実質GDP速報値、ユーロ圏の7月消費者物価指数が公表されます。変異株が感染拡大する中でも欧州各国の行動制限の再強化は限定的で、景気回復のモメンタムが維持されることが期待されます。

 中国では、31日(土)に7月政府版PMIが発表されます。原材料価格高騰、半導体等の不足は景気の下押し材料ですが、堅調な輸出や国内消費の持ち直しが景気を下支えすると見られます。

 日本では、26日(月)に7月マークイットPMI速報値、30日(金)に6月鉱工業生産(速報)が発表されます。半導体の供給不足が自動車等の減産の一因となっていますが、世界的なワクチン普及による経済活動正常化が景況感の改善につながることが期待されています。また、今週はオリンピックの大会期間中にあたります。変異株の感染動向には目配りが必要です。

(坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2021年7月21日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点