
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
10日の米国株式市場では主要3指数が上昇、11日はS&P500及びNYダウが上昇し、ナスダック総合は下落しました。10日のアジア時間に半導体受託生産大手のTSMCが発表した1月売上が前年比+35.9%となったことを受けて、半導体など情報技術セクターが堅調に推移しました。週末にトランプ大統領が、鉄鋼とアルミニウム輸入に対して25%の関税を賦課すると発表しましたが、悪影響は限定的との見方から警戒感は強まりませんでした。トランプ政権の関税引き上げに関する不透明感が続く中、11日は朝方から株式市場は軟調に推移しましたが、10-12月期決算の業績が好感されたコカ・コーラ(KO)やデュポンドヌムール(DD)、アップル(AAPL)などの主力株が上昇し、相場を下支えしました。パウエルFRB議長による米上院の議会証言は、利下げを急ぐ必要は無いとの従来通りの姿勢を示したことから、相場に大きな影響を与えませんでした。
相場の注目点
トランプ政権の関税などの政策を巡る不透明感が継続する中でも、米経済の堅調さが米国株の支援材料となります。米景気拡大に伴う企業業績の伸びが、政策の不透明感やバリュエーション指標の割高感などのネガティブ要因を上回るとみています。日本株については、25年年初からの円高で円安効果が一部剥落していますが、企業による価格転嫁の浸透などを背景とした業績改善見通しが相場を下支えするとみています。為替市場では、日銀の利上げ継続路線が円の支えとなり、また、トランプ関税による日本経済への影響が相対的に軽微とみられる中で円は安全通貨としてみられ、1ドル=150-155円のレンジで膠着する展開を見込んでいます。本日米国では、1月米消費者物価指数が発表されます。
(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)


(注)データは日本時間2025年2月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。