本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

キーエンス (6861)
村田製作所 (6981)
ファナック (6954)
富士通 (6702)
パナソニック (6752)

キーエンス、営業利益実績は市場予想を上回る 各国の設備投資回復が追い風に

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。各国の政策効果もあり、製造業を中心に設備投資が回復基調となったことなどが追い風となりました。2022年3月期の通期見通しに関しては、開示しませんでした。

村田製作所、営業利益実績は市場予想を大きく上回る 通期見通しを上方修正

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。主力製品である積層セラミックコンデンサーの販売が自動車やスマホ向けで大きく増加しました。自動車向けに関しては、自動車の生産台数の回復に加え、今後の生産増加に備えた部品在庫積み増しの動きが追い風となりました。会社は自動車向けなどの需要好調を受けて、通期見通しを上方修正しており、営業利益見通しも市場予想を上回りました。

ファナック、営業利益実績は前年同期比4.7倍に 四半期受注は過去最高

 4-6月期の営業利益実績は、市場予想並みでした。FA部門の需要は、中国やインド、欧米も含め全体的に回復しました。ロボット部門については、中国でIT関連やEV関連、建機向けを中心に売上が堅調で、米国でも一般産業向けおよびEV関連向けが堅調でした。ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)がパソコンやタブレット、スマホ市場向けの旺盛な需要を受け、売上が増加しました。2021年4-6月期の受注は、前年同期比2倍増の2,245億円と過去最高になりました。会社は各種製品への旺盛な需要を受けて、通期見通しを上方修正しました。

富士通、営業利益実績は市場予想を上回る 全セグメントで採算性改善が進む

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。テレワーク特需の反動減はあったものの金融や通信向けが好調で、売上収益(売上高に相当)は前年同期比で横ばいを維持しました。一方、採算性の改善が進んだことで売上高総利益率は2.4%ポイント上昇し、営業利益を押し上げました。2022年3月期通期の業績見通しは期初の予想を据え置いています。

パナソニック、大幅増益を確保 自動車関連や家電が堅調

(注)調整後営業利益は売上高から、売上原価と、販売費及び一般管理費を控除して算出

 4-6月期は大幅増益を確保しました。国内事業は、自動車市場の回復を受けた車載情報通信システムや、5G関連の需要が増加した電子部品実装機などがけん引役となりました。海外事業は、顧客工場の一時停止の反動があった車載電池や、社会変化を捉えたエアコンなどの家電が堅調でした。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年7月29日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

・前日(7/28)の決算速報:<野村の決算速報>エムスリー、キヤノン、アドバンテスト、TDK、小糸製(7/28)

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