※画像はイメージです。

※2025年6月12日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均株価、戻り高値集中の水準を突破なるか

今週の日経平均株価は、米国と各国・地域との関税交渉に焦点が当たる中、3万8,000円台前半にかけて堅調に推移しました(6月12日時点)。

これまでの動きをチャートから振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、5月中旬にかけて急反発となったものの、その後は上値の重い動きとなりました。今後、再び調整となった場合は、これまで下支えとなってきた上向きの25日移動平均線(6月12日:37,746円)が下支えとなるか注目されます。同線を割り込んでさらなる調整となった場合は、5月22日安値(36,855円)が次の下値メドとして挙げられます。

一方で、5月22日安値形成後は徐々に下値を切り上げています。この先、5月13日高値(ザラバベース:38,494円)や6月11日高値(同:38,529円)等の戻り高値が集中する38,500円前後の水準を上放れとなれば、保ち合いを突破してきたと捉えられます。その場合は、心理的フシの40,000円や、昨年12月高値(同:40,398円)の水準を目指す動きとなると考えられます。

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(注1)直近値は2025年6月12日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

東証グロース250、ダブルボトムが示す新たな上昇局面

株式市場では、米国の関税政策に対する懸念が依然として残っています。米中の通商合意により一時的に緊張は緩和されたものの、トランプ政権が関税政策そのものを撤回する可能性は低く、今後も各国との交渉が続くと見られます。

こうした状況の中で、米国の関税の影響を比較的受けにくいと考えられる東証グロース市場への関心が高まっています。東証グロース市場は、高い成長が期待される企業が多く、インターネットサービスなど主に内需関連の企業が中心です。

代表指数である「東証グロース250指数」のチャートをみてみましょう(図2)。同指数は2025年に入り、52週移動平均線を上抜けした後、25年2月高値(692.66pt)も突破しました。24年8月安値と25年4月安値を底とする「ダブルボトム」が完成し、大底形成のシグナルがみられます。2020年10月から約4年半続いた長期の低迷を脱し、本格的な上昇相場に入った可能性があります。

この先の上値メドとして、2020年10月高値から24年8月安値までの下落幅に対する38.2%戻し(821.35pt)や、23年6月高値(864.77pt)、同50%戻し(925.25pt)の水準が挙げられます。これら水準へ向けて押しをこなしつつ、上昇傾向が続くか注目されます。

(注1)直近値は2025年6月12日。天底の数値は日次終値ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

<ご参考>東証グロース250指数とは

東証グロース市場は、高い成長が期待される企業が集まる市場です。この市場に上場している企業の中から、代表的な250銘柄で構成される株価指数が「東証グロース250指数」です。なお、以前は「東証マザーズ指数」と呼ばれていました。2022年4月の東証市場区分の再編により、マザーズ市場が廃止されました。その後、マザーズ指数の構成銘柄は段階的に見直され、2023年11月6日から「東証グロース250指数」へ名称が変更されました。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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