
※画像はイメージです。
※2025年6月19日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
日経平均株価の下値は徐々に切り上がりが見られる
今週の日経平均株価は、半導体関連株を中心に上昇し、18日まで3日続伸となった後、中東情勢を巡る不透明感などから、上値の重い展開となりました。
これまでの動きをチャートから振り返ってみましょう。日経平均は5月中旬以降、上昇ペースが緩やかになっているものの、下値は徐々に切り上がっています。
そして6月18日までの3日連続上昇により、6月11日の高値(ザラバベース:38,529円)など、戻りの節目が集中する38,500円処を突破し、38,800円台まで上昇しました。今後の上値メドとしては、心理的な節目である40,000円や、昨年12月の高値(40,398円)が挙げられます(図1)。
一方、6月19日は地政学リスクの高まりにより反落しました。今後さらに調整が進む場合、これまで下値を支えてきた25日移動平均線(6月19日:37,860円)や代表的な移動平均線である200日線(同:37,928円)がサポートとなるかがポイントです。もしこれらの水準を下回る調整となれば、5月22日安値の36,855円が次の下値メドとなります。
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(注1)直近値は2025年6月19日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
イスラエル×イラン 緊迫の攻防と株式市場の行方
2025年6月に入り、中東の地政学リスクが高まり、株価の上昇が抑えられています。6月12日、イスラエルは核施設や幹部を狙った先制攻撃を実施し、イランも反撃しました。その後、両国の応酬が続いています。
過去を振り返ると、2024年4月のイランとイスラエル間の史上初の直接交戦時や、24年10月交戦時のマーケットの反応は一時的なものにとどまりました(図2)。
両国は国境を接しておらず、イスラエル周辺の親イラン勢力が弱まる中、イラン側の報復は限定的です。米国によるイラン攻撃の可能性が報じられていますが、米国は紛争の長期化を望んでいないとみられます。今後、紛争が長期化しないとすれば、過去同様マーケットの反応は一時的と予想されます。

(注1)直近値は2025年6月18日時点。ただし原油先物価格は17日時点。出来事は全てを網羅している訳ではない。
(出所)日本経済新聞社、S&P ダウジョーンズ・インデックス社、Financial Times社、野村證券経済調査部より野村證券投資情報部作成
一方紛争の拡大・長期化で原油価格が急騰すれば株価への影響は避けられませんが、数年単位の長期上昇トレンドへの影響は限定的と考えられます。NYダウはこれまで多くのショックや紛争を乗り越え、高値を更新してきました(図3)。
過去の超長期上昇トレンドは約22~24年続いており、今後も様々な出来事を乗り越えながら史上最高値を更新していくことが期待されます。

(注1)チャートの直近値は2025年6月13日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(注4)全てを網羅している訳ではない。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)