
来週の注目点:米国の関税協議、日米の金融政策会合
トランプ大統領は各国・地域と関税交渉を継続していますが、8月1日に相互関税の上乗せ分を復活させる意向です。日本との間では7月22日(現地時間)に、相互関税を15%とすることで合意したことが明らかになりました。今後はEUや中国との交渉の行方が注目されます。特に中国との間では、中国によるレアアース輸出制限の緩和に絡んで、半導体等の対中輸出規制の緩和や、米中首脳会談開催に向けた動きが見受けられることから、事態が急展開する可能性もありそうです。
今週は各国で金融政策会合が開催される中銀ウィークです。米国では29日(火)~30日(水)にFOMCが開催されます。金融政策は据え置きが予想されます。FRBの様子見姿勢に対して政府高官から批判が相次ぐ中で、パウエル議長の政策スタンスに変化がみられるか、が注目されます。経済指標では、29日(火)に6月雇用動態調査(JOLTS)、30日(水)に4-6月期実質GDP速報値、31日(木)に4-6月期雇用コスト指数、6月個人消費支出・所得統計、8月1日(金)に7月雇用統計、7月ISM製造業景気指数と重要統計が相次いで発表されます。

日本では30日(水)~31日(木)に日銀の金融政策決定会合が開催されます。日本でも金融政策は据え置きが予想されます。市場では、同時に公表する「展望レポート」で日銀はコアインフレ見通しを上方修正し、利上げに前向きな姿勢を示すとの見方が高まっています。31日(木)の6月鉱工業生産、1日(金)の7月国内新車販売台数なども、景気の先行きを予想する観点から注目を集めそうです。

30日(水)にはユーロ圏、ドイツで4-6月期実質GDP速報値が公表されるほか、30日(水)にカナダとブラジル、31日(木)に南アフリカで金融政策会合が開催されます。また、中国では例年8月初旬頃に北戴河会議が開催されます。協議内容は明らかにされませんが、党の重要方針、幹部人事などが話し合われます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)
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