
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
28日の米国株式市場はまちまちの動きとなりました。NYダウが反落した一方、S&P500は小幅ながら6日続伸となり、史上最高値を更新しました。ナスダック総合も4日続伸し、連日で史上最高値を更新しました。週内にFOMCやハイテク大手の決算発表など重要イベントを控え、主力株の一部に利益確定や持ち高調整の売りが出た一方、米国の関税政策の先行きに関して楽観的な見方が広がったことが投資家心理を支えました。また、週末の米EU間の貿易合意で、EUが米国から7,500億米ドル相当のエネルギー製品を購入することが伝わり、液化天然ガス(LNG)関連銘柄の上昇が目立ちました。
相場の注目点
米国株式相場が最高値圏で推移するなか、今週は29-30日開催のFOMCが注目されるほか、経済指標では2025年4-6月期実質GDP成長率(速報値)や6月個人消費支出(PCE)物価指数、7月雇用統計の発表が予定されています。加えて、複数の主要ハイテク企業の決算も佳境を迎えており、それぞれの結果を見極めたいとの見方から、足元では投資家が上値に慎重になっていることが伺えます。一方、相互関税の上乗せ分の発動猶予期限が8月1日に迫るなか、日本(7月23日)に続いてEU(7月27日)とも貿易交渉で合意に達し、警戒感が薄れつつあります。合意していない貿易相手国に関しても、トランプ大統領が28日、関税率が15~20%になる可能性が高いとの認識を示したことから、日本やEUと同水準程度で交渉をまとめたいとの意向が伺えます。対中国に関しては、28日から2日間の日程で米中の通商交渉が行われていますが、最終的な合意形成にはまだ時間を要するとみられることから、焦点は高関税停止措置の延長になります。引き続き交渉の行方を見極める必要はありますが、米国の関税政策を巡っては一旦山場は超えたと言えそうです。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)


(注)データは日本時間2025年7月29日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。