(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8月19日の米国株式市場では、NYダウが上昇した一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合やS&P500が下落しました。朝方発表の7月米住宅着工件数が市場予想に反してプラスになったことや、寄り前発表のホームセンター大手のホーム・デポの決算が好感される中、不動産や生活必需品などのセクターの株価が上昇し、相場を下支えしました。一方、エヌビディアやマイクロソフトなどを中心にハイテク株の下落が目立ち、相場を下押ししました。22日に米カンザスシティー連銀主催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の講演を控えて様子見姿勢が強まる中、外国為替市場は方向感を欠く展開となり、1米ドル=147円台後半で推移しています。

相場の注目点

足元までの日米株の好調は、事前の想定を上回る企業業績や、FRBの早期利下げ期待が背景にあります。米国の7月雇用統計や7月消費者物価指数(CPI)などの結果を踏まえ、市場ではFRBが9月FOMCで利下げに踏み切るとの観測が強まっています。2024年のジャクソンホール会議で9月会合での利下げを示唆したパウエルFRB議長が、今回はいかなる姿勢を示すのかに注目が集まります。パウエル氏はデータを重視する傾向が強いと考えられていますが、インフレ加速の兆候が見られる一方で、労働市場には減速感が見え始めており、物価と雇用のいずれを重視するのか難しい判断を迫られます。また、今週は米小売大手の決算発表が続きます。20日にロウズ、ターゲット、21日にウォルマートなどが決算発表を予定しています。関税の消費への影響に注目です。本日、日本では6月機械受注と7-9月期見通しが発表されます。

(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2025年8月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点