(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

週明け27日の米国株式市場で主要3指数は揃って3営業日続伸し、最高値を更新、S&P500は節目の6,800を突破しました。週末に実施された米中間の貿易協議を受けて、中国によるレアアース輸出規制の1年延期や米国による100%の対中関税発動の見送り方針が報じられ、世界景気の先行き懸念が薄れたことが支えとなりました。加えて、AI市場への本格参入を発表した半導体大手の米クアルコムが一時前日比20%超と急騰し、半導体株を中心に株価上昇したことも指数を押し上げました。一方、安全資産として上昇基調が続いた金(ゴールド)は下落し、VIX指数は約1ヶ月ぶりの水準に低下しました。

相場の注目点

先週は米中両国が強硬姿勢を強めたことで貿易摩擦懸念が再燃しましたが、10月30日の米中首脳会談を前にすでに合意に向けた道筋がみられ、緊張は緩和しています。市場の関心は日米企業の2025年7-9月期決算に移ることが見込まれ、今週は10月29、30日のGAFAM決算が注目されます。日本でも28日のアドバンテストを皮切りに半導体関連企業の決算発表が相次ぎますが、AI需要の強さが改めて確認されれば、日米株式市場のサポート要因になるとみられます。一方、今週は日米欧の中銀会合が集中します。先週公表された9月の米消費者物価(CPI)が市場予想を下回る伸びにとどまり、FRBに対する利下げ観測が維持されているものの、米国株が最高値を更新するなかで、一部では過熱感を指摘する声もきかれます。10月28-29日開催のFOMCでは、今後の利下げ期待が持続するのかどうかが焦点になるとみられます。

本日のイベント

トランプ大統領と高市首相が首脳会談を行います。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

注)データは日本時間2025年10月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点