
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
29日の米国株式市場で、NYダウとS&P500は下落する一方、ナスダック総合は続伸し、過去最高値を更新しました。エヌビディアの時価総額が世界で初めて5兆米ドルの大台に乗せるなど、ハイテク株が相場をけん引しました。FRBは午後、政策金利を0.25%ポイント引き下げ3.75~4.00%とするほか、米国債などの保有資産を減らす量的引き締め(QT)を12月1日に終了することを発表しました。また、FOMC後の記者会見でパウエル議長が、12月会合に向けて「FOMC内で意見が大きく分かれている」「(追加利下げは)決まった結論ではなく、ほど遠い」と発言し、市場に広がる利下げ期待に水を差すと、米10年国債利回りが上昇し、株式市場では利益確定売りが強まる場面もありました。
相場の注目点
本日は国内外でイベント目白押しです。日本では日銀が金融政策決定会合の結果を公表します。市場は日銀が今会合で政策金利を据え置く公算が大きいとみています。焦点は四半期に一度公表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」や会合後の植田総裁の記者会見です。植田総裁が次回の12月会合での追加利上げを示唆する発言をすれば株価の重石となるおそれがあるため、本日の東京市場では追加利上げのタイミングを見極めようと、イベント前に投資家が様子見姿勢を強める可能性もありそうです。韓国で開催される予定の米中首脳会談では、貿易摩擦問題や合成麻薬フェンタニルの流入対策について協議される見通しです。米中対立が一段と緩和すれば、安心感から世界的な株高となる可能性があります。また、ECB理事会では政策金利の据え置きが予想されています。そのほか、日本で日立製作所や東日本旅客鉄道、米国でアップル、アマゾン・ドットコムなどが2025年7-9月期決算を発表します。
(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)


注)データは日本時間2025年10月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。